多発性硬化症について
多発性硬化症とはどんな病気ですか?
- 監修
- 東京女子医科大学 医療安全科・脳神経内科兼務 教授 清水優子 先生
多発性硬化症は、脳、脊髄、視神経などの中枢神経系に発生する病気です。
神経は、神経細胞から伸びる軸索とよばれる部分を、ミエリン(髄鞘)とよばれるさやのようなものが覆う構造になっています。多発性硬化症では、自分を守るはずの免疫機能が何らかの異常をきたし、ミエリンを攻撃します。この結果、ミエリンは軸索から剥がれ落ち(脱髄)、脳からの命令が伝わるのが遅くなったり、異常な命令が伝わったり、あるいは命令そのものが伝わらなくなったりするようになるなど、体中にさまざまな神経障害が起こります。